第16回東邦ピアノセミナーを開催しました。

今年は昨年にも増して猛暑の日々が続いておりますが、皆様お変わりなくお元気でお過ごしでしょうか。
2023年7月30日(日)、文京キャンパスにて、恒例の『狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 東邦ピアノセミナー』が開催されました。このセミナーも今年で16回目。その年月を思いますとやはり感慨深いものがあります。また、支えて下さる卒業生や関係者の皆様方のお力添えがあってこそと、改めまして感謝申し上げます。
今年のセミナー当日も大変な猛暑ではありましたが、たくさんの方々のご参加を頂きました。再会を喜び合う声、あふれる笑顔、明るく華やかな雰囲気の中、開講式が執り行われました。学長、大場ピアノ主任教授のお話に続き、大学4年の新井詩織さんによる演奏が行われました。曲目はM.グリンカ作曲(M.バラキレフ編曲)『ひばり』、詩情豊かな演奏を披露してくれました。

さて、例年このセミナーでは個人レッスンと2つの講座が行われておりますが、今回は講座についてご紹介いたします。「講座1」は本学教授である小林律子先生による「ショパンを弾く」 ~ショパンと“うた”~。まずショパンがピアニスト、作曲家としてその歩みを進め確立していく過程において受けたであろう影響、またそこからの学びについて数々のエピソードをもとに検証が行われました。続いて、ショパンの美しい旋律を弾く=歌う様に弾くとはどういうことなのか、ピアノという楽器で「歌う」ことについて、実例を挙げながら様々なアプローチで考察されました。

「講座2」は本学主任教授である大場文惠先生による「連弾の奥深い世界」~その演奏法と指導法~。講座は連弾の歴史についてのお話から始まりました。社会の変化、楽器の変化等、様々な要因により連弾という演奏形態が必然的に確立されていく過程が紹介されました。続いて、松田理世さん(本学研究員)、曽根原真理さん(本学アドバンスコース2年)による実演を混じえながら、連弾の基本的な留意点の確認を軸に、連弾の魅力や、その無限とも言える演奏表現の可能性について熱心に語られました。普段「親密に楽しく」接している連弾の芸術的な側面を垣間見るような印象を受ける内容であったと思います。

和やかな雰囲気の中、おかげさまで今年の東邦ピアノセミナーも無事に終えることができました。受講生皆様の「学びたい」という強いエネルギーを肌で感じ、私達教員も大変良い刺激を頂く機会になっています。どうぞ今後とも東邦ピアノセミナーをよろしくお願い申し上げます。

定期研究発表演奏会【ソロの部】が開催されました

暑い夏が続いております。皆様 いかがお過ごしでしょうか。
3 年余り続くコロナ対策は大きく節目を迎え、日常もぽつぽつと戻り始めています。
この時期になると、学生たちは猛暑にも負けず実技試験に向けて日々の練習にも拍車がかかっています。

7月15日(日)、定期研究発表演奏会【ソロの部】が、川越キャンパス?グランツザールにて開催されました。
この日の第1部では、附属中学校?高等学校?第二高等学校の代表生徒が演奏し、第2部では大学から選抜された代表の学生達が、切磋琢磨に取り組んできた学びの成果を披露しました。
ピアノを専門とする大学生は、4年次生の新井詩織さん、斎藤愛実さん、亀岡沙有さんが出演し、それぞれが若さ溢れる熱のこもった演奏を披露してくれました。お客様からは ホールいっぱいに響くあたたかい拍手が贈られました。

演奏会の帰り道、「今日、よかったね」と話されているお客様の会話を耳にしました。
同じ空間と同じ時間を共にすると、そこに共有感覚が生まれるのでしょう。何気ない言葉にもリアリティがあります。
生の演奏会では、演奏する姿や視覚的に見えてくるものも、“聴いているもの”に影響を与えているようです。
華麗なドレス姿の学生が登場して、曲を開始する時の息遣い、演奏中の表情や身体の動き、そして退場する姿などを観て、ある時は心に残る一コマとして、ある時は深層にあるものを想像する材料として、目で聴くこともたのしみます。
音楽にとって“聴く”ということは欠くことが出来ない大切な要素ですが、聴覚以外の感覚も聴くことを助けてくれているようです。

考えてみますと、私たちは普段、言葉だけで意思や感情を伝えているわけではありません。
表情、仕草など、身体全体による言語を使わないコミュニケーションもとっています。
特に言葉だけでは伝わらない感情のニュアンスは、身体による言語によって表される部分が大きいと言われています。
これは、音楽の表現についてもあてはまるところがあるのではないでしょうか。
作品を通して奏者が何かを表現しながら演奏します。それを聴き手が受け取って何かを感じとるという、言葉を介さない対話、音楽でのコミュニケーションが生まれます。
今は、音楽を聴くのに CDやネットから気軽に聞くことが出来る時代になりましたが、その場の空気感や臨場感は生の演奏会ならではのものでしょう。

日常生活が平常を取り戻しつつある現在、コンサートや人が集まる所に以前より積極的に出かけられるようになってきました。
本学では「東邦ミュージック?フェスティバル」をはじめ、多くの演奏会やイベントの開催を予定しております。
是非、東邦のキャンパスに足を運んでいただき、日々音楽と向き合っている学生たちの発表や活動を目や耳で感じとっていただけたらと思います。
皆様のお越しをお待ち申し上げております。

オープンキャンパスが始まりました。

関東も梅雨入りし蒸し暑い日々が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
この時期は、人の身体も楽器もコンディションを保つのが難しい時期です。睡眠と栄養をしっかりとって、楽器のためには湿度管理や清掃も行い、元気に過ごしたいですね。

今年度も狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版?狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版「オープンキャンパス」がスタートしました。
オープンキャンパスでは、入学者選抜、カリキュラムについてのオリエンテーション、キャンパスツアー、専攻別プレゼンテーション&音楽活動、体験レッスン、個別進学相談など、多彩なプログラムが行われます。そして、さまざまな場面で在学生が活躍し、本学の日頃の雰囲気や校風を感じていただけるよう工夫をこらしています。

まず6月18日(日)、トップを切って開催されたのは「狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版オープンキャンパス」(文京キャンパス)です。
オープニングコンサートでは、本学卒業生の曽根原真理さんがピアノソロ演奏を披露し、ご来場の皆さまを歓迎しました。
曲目は、L.v.ベートーヴェン作曲『ソナタ第18番変ホ長調Op.31-3』第1楽章?第4楽章です。

キャンパスツアーでは、学生が日頃の授業やレッスンの様子をお話ししながら皆さまをご案内します。

「専攻プレゼンテーション&音楽活動」では、来場者のご案内とともに、各専攻の音楽活動にも加わります。
今回のピアノコース?ピアノ指導者コース音楽活動では、3名の在学生の協力を得て、ピアノ作品の分析と、ピアノ指導教材の体験を行いました。本学の普段の授業がどのような雰囲気で行われているかを感じていただけたことと思います。

今年度も、大学?短期大学それぞれ3回、計6回の「オープンキャンパス」、そして「体験レッスン&個別進学相談」、「スキルアップ講習会」「基礎力診断」など、音大の学びを体験できる様々なイベントが開催されます。
また、10月7(土)、8(日)開催予定の「東邦ミュージック?フェスティバル」、「定期研究演奏発表会」をはじめ、多くの演奏会に向けて学生たちが研究と練習に取り組んでいます。
ぜひ両キャンパスにお越しいただき、本学の活動の息吹を感じていただければと思います。

オープンキャンパス等の詳細は、下記のページをご覧ください。
皆様のお越しを、学生たちとともにお待ちしております。

「狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版オープンキャンパス?説明会」
/college/admission/opencampus/

「狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版オープンキャンパス?説明会」
/juniorcollege/category/opencampus/

今年も東邦ピアノセミナーを開催いたします!!

大型連休も終わり、大学もまた通常運転に戻りました。日々明るい時間が長くなり、爽やかな空気に満ちたこの初夏の時期、学生たちの生活にも活気がみなぎっています。コロナ禍を経て、伸びやかに勉強ができる環境がいかに貴重なことか、改めて感じさせられます。

さて、毎年恒例のお知らせですが、今年度も7月30日(日)に文京キャンパスにて「東邦ピアノセミナー」を開催いたします。今年で第16回目となりました。こうして継続して来られましたのは、毎年多くの皆様がご参加くださり、私たち教員と共に、参加者お一人お一人の力でこのセミナーを育てていただいたおかげと、ピアノ教員一同心から感謝しております。
また、年に一度懐かしいお顔にお会いできることも、私たち教員にとってとても楽しみなことです。今年も夏の1日をどっぷりとピアノ三昧に過ごしてみませんか?

今回は、チラシのように講座1では「ショパンを弾く」~ショパンと”うた”~というタイトルで小林律子教授によるショパンの講座を、講座2では「連弾の奥深い世界」~その演奏法と指導法~というタイトルで大場文惠特任教授による連弾の講座をご用意いたしました。併せて本学教員による個人レッスンもございます。
今回も、本学教員による音楽の宝箱を惜しみなく展開いたしますので、どうぞご期待ください。

5月8日15:00より受付を開始しております。ピアノに興味のある方でしたら、どなたでもご参加いただけますので、下記のQRコード、あるいはリンクからwebページに入っていただき、お申し込みいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

第16回 ピアノセミナーの詳細はこちら


お申し込みフォームはこちら

新学期が始まりました。

狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版5年度の前期授業?レッスンがスタートしました。
キャンパスの花々も本格的な春の訪れを告げています。
学生が、川越キャンパスを彩る綺麗なハナミズキの写真を送ってくれました。

4月5日、川越キャンパスグランツザールにて入学式が挙行されました。この日は春らしい穏やかな天候に恵まれ、無事に新入学生を迎えることができました。入学式の最後には、コロナ禍において声を出して歌うことができなかった「東邦の歌」が、4年ぶりにホールに響き渡りました。

 
大学?短期大学の年度初めは、学生オリエンテーション、履修相談、履修登録をはじめとする様々な手続きなどに学生、教職員ともに奔走し、文京?川越両キャンパスは大変賑やかです。

そんな中、4月8日には「専攻別オリエンテーション」が開催され、大学ピアノ専攻、Konzertfach(演奏専攻)ピアノ、教職実践専攻(ピアノ)、短期大学器楽専攻ピアノコース、同ピアノ指導者コースの学生が一堂に会しました。これは、ピアノを専門とする学生全員が集まる貴重な機会です。

この日は、小林先生による大学?短期大学での学び全体についての講話に始まり、充実した学生生活を送るための心得、ピアノ教員の担当する授業科目の紹介、大学院の紹介などがありました。
オリエンテーションの最後は、大学4年次生の亀岡沙有さんが、素晴らしいピアノの演奏で締めくくってくださいました。

今年度は、多くの演奏会やイベントが、以前の姿を取り戻して開催できる予定です。
早速4月15日には、『狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 Konzertfach(演奏専攻)学生による演奏会』が、川越キャンパスグランツザールにて開催され、ピアノを専門とする5人の学生たちが演奏専攻に相応しいプログラムを披露しました。

大学2年 岩澤ことね
L.v.ベートーヴェン: ソナタ第24番嬰へ長調 Op.78
F.ショパン: バラード第1番 ト短調 Op.23

大学2年 植松姫菜
S.ラフマニノフ: 楽興の時 Op.16-3 ロ短調、Op.16-4 ホ短調
F.ショパン: 幻想曲 へ短調 Op.49

大学2年 遠藤乙彩
F.シューベルト: 4つの即興曲
第1番ハ短調 Op.90-1、第3番変ト長調Op.90-3、第4番変イ長調 Op.90-4

大学2年 杉谷優太
J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第2巻 第20番イ短調 BWV889
F.ショパン: バラード第4番 へ短調 Op.52

大学3年 清原一龍
J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第1巻 第5番ニ長調 BWV850
F.ショパン: エチュード 変イ長調 Op.25-1
S.プロコフィエフ: トッカータ ニ短調 Op.11

今年度もピアノダイアリーでは、狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版?狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版のピアノにまつわる話題や、演奏会、イベント等、キャンパスの様々なシーンを毎月お届けして行く予定です。
どうぞこれからも、ピアノダイアリーをよろしくお願いいたします。

卒業おめでとうございます

3月に入り、本格的な春の訪れと共に今年度を締めくくる行事が行われました。

2023年3月11日(土)、川越キャンパスグランツザールにて『狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版4年度 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 卒業代表演奏会』が開催されました。

ピアノを専門とする学生では、短期大学器楽専攻ピアノコース2年次生の田所理央さん、大学教職実践専攻(ピアノ)4年次生の関根彩花さん、Konzertfach(演奏専攻)4年次生の平林大翔さん、宮本有紗さんの4名が出演し、それぞれ、卒業を控える学生たちにとって集大成となる演奏を披露しました。


田所 理央/ショパンの主題による変奏曲より F.モンポウ


関根 彩花/10の前奏曲 作品23 第4番 ニ長調 S.ラフマニノフ


平林 大翔/ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53 F.ショパン


宮本 有紗/前奏曲 第2巻より
     Ⅶ.月の光が降り注ぐ謁見のテラス
     Ⅷ.オンディーヌ
     Ⅺ.交代する三度

そして、3月18日(土)には、桜のほころび始めた川越キャンパスにて『狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版大学院 卒業証書?学位記授与式』が挙行されました。

長く続いた「コロナ生活」もようやく出口が見え、マスクの着用が緩和され、ここ3年間の卒業式とは異なる学生の晴れの姿を、我々教員も感慨深い思いで見守っておりました。

改めて、卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。コロナ禍の中で多くの時間を過ごした皆さんは、今まで誰も経験してこなかった困難な学生生活を乗り越えて卒業を迎えています。その経験がみなさんを強くしていると思います。これからそれぞれの道に進まれても、一歩一歩を大切に進み続けてください。我々教員も陰ながら応援しています。

 最後に、この学校で出会った仲間や、過ごした日々を忘れずに!東邦はみなさんがいつでも戻ってくることができる場所です。

また会える日を楽しみにしています。皆さんのさらなる飛躍を期待しています。

卒業代表演奏会が開催されます。

この2月は降雪に見舞われる日もありましたが、幸い大学?短期大学の後期試験は全て無事に終了しました。
現在は附属中学校?高等学校?第二高等学校の実技試験が進行しているところです。

2023年3月11日(土)川越キャンパスグランツザールにて「卒業代表演奏会」が開催されます。
大学4年次生、短期大学2年次生から選抜された学生が演奏する晴れの舞台です。
ピアノを専門とする学生は、大学4年の関根彩花さん、平林大翔さん、宮本有紗さん、短期大学2年の田所理央さんの4名が出演します。

関根さんは教職実践専攻(ピアノ)、平林さんと宮本さんはKonzertfach(演奏専攻)の学生です。本学独自のカリキュラムのもと、演奏表現はもちろん、様々なことに幅広く取り組み充実した学生生活を送ってきました。4年間の学びの集大成としてどんな演奏を聴かせていただけるか大変楽しみです。

田所さんは、短期大学で学ぶ社会人学生です。これまでも多くのイベントやコンサートに出演し、昨年7月には「トライアルコンサート2022」の出演者に選ばれ、本学の社会人学生として初めてオーケストラとの共演を披露しました。卒業後の幅広い活躍が期待されます。
「トライアルコンサート」の模様を掲載したこちらの記事も、どうぞご覧ください。

本公演は、新型コロナウィルス感染防止の観点から、政府?自治体?関係団体のガイドラインに基づいた対策を講じた上で開催いたします。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

『狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版4年度 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版 卒業代表演奏会』
2023年3月11日(土) 14:00開演(13:30開場)
会場 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版グランツザール
料金 全席自由?入場無料
出演者 狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版4年次生代表者?狗万滚球_狗万买球app-官网平台手机版2年次生代表者

お問合せ、詳細につきましては、こちらのページをご覧ください。

後期の総まとめ~短大の授業風景より

年が明け、大学?短大では後期の総まとめの時期に入り、一気に緊張感を伴う空気に包まれています。学生たちは学科のレポート提出や様々な試験をこなし、一年の集大成とも言える実技試験に向けて一層充実した日々を過ごしています。

さて、今回は短大の授業最終日の様子をご紹介しましょう。授業は「アンサンブルⅠ」、連弾を学びます。連弾は少々地味な存在でもあるのですが、実は名作の宝庫でもあります。授業を通して、演奏される機会の少ない数々の作品に巡り合うことは、大変有意義なことではないかと思います。授業内でその様な曲、曲集を紹介し「聴くヒント」を提示すると、学生たちは実に積極的な反応を示し、感心するほどにいろいろな作品を聴き、その中から弾いてみたい曲を選曲します。

「アンサンブルⅠ」最終日では文京キャンパス内の「50周年記念館ホール」で録音を行うことが恒例となっています。

今回のプログラムは、
R.シューマン:「小さな子供と大きな子供のための12の小品」作品85
J.ブラームス:ワルツ集「愛の歌」作品52a
A.ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集作品72
G.フォーレ:組曲「ドリー」作品56
P.チャイコフスキー:「くるみ割り人形」作品71a
S.ラフマニノフ:6つの小品作品11

以上、実に多彩なものになりました。実際の録音は各曲の中からの抜粋になりましたが、皆作品に誠実に向き合って、作品についてよく考え協議し、大変良い録音ができたと思っています。

来年度「アンサンブルⅡ」ではいよいよ2台ピアノを行います。更に名曲の数々と出会い、豪華なアンサンブルを体験し、音楽的経験を豊富に積んでいくことを願っています。

冬晴れのキャンパスにて ~後期実技試験と「作品ノート」~


2022年も残り少なくなりました。皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
今年の冬は青空が美しく感じられます。川越キャンパス16号館には眺望の良い学食と学生ラウンジがあり、晴れた日には遠く富士山や浅間山を望むこともできます。
年末に向けて、キャンパスでは学生たちが後期実技試験曲の練習に取り組んでいます。このところ適度に空気が乾燥しているためか、学内の楽器の響きが良いようです。

大学4年生、短大2年生にとっては、年明けの1月末から2月にかけて行われる後期実技試験が、卒業前の最後の試験となります。そして、この試験で演奏する曲について、「作品ノート」という研究レポートを提出することになっています。
作品が生まれた時代背景、作曲者の生涯などについて調べ、様々な方法で楽曲分析を行い、レポートにまとめていきます。本学には文京、川越両キャンパスに図書館があり、一般の図書館とは異なる音楽の専門書、事典、楽譜などを手に取って研究を進めることができます。
「作品ノート」をまとめる作業は、ピアノに向かうことのみならず幅広く音楽についての素養を身に付ける、一人ひとりの学びの集大成とも言えるでしょう。

中には、本格的な論文に匹敵するような作品ノートを完成させる学生もおり、それらは図書館に収蔵されて後輩たちのための大切な参考資料となっています。

寒い日が続くとピアノに向かう身体も固くなりがちですが、一方で冬の凛とした空気は芸術に向かう気持ちを高めてくれます。大学、短大の冬休みは長くありませんが、年明けには学生たちはさらに成長した姿を見せてくれることでしょう。

今年も日常生活が完全に平常を取り戻すには至りませんでしたが、本学においては多くの演奏会、公開講座、イベント等が無事に行われ、ウィーンアカデミー研修も再開される等、活気に満ちた日々を送ることができました。ピアノダイアリーの過去記事とともに、この一年を振り返っていただけると幸いです。

2023年が、さらに皆さまにとって良い一年になりますように。
今年もピアノダイアリーをお読みくださりありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

Konzertfach(演奏専攻)演奏会&大学院特別講座を開催しました。


秋も深まり、美しい紅葉を楽しませてくれた川越キャンパスの樹々たちも、徐々に冬の装いに変わろうとしています。
今月はピアノ専攻に係わる二つの催しがグランツザールでありました。

先ず5日(土)にKonzertfach(演奏専攻)の学生による演奏会が行われました。ピアノを専門とする学生は、1年生3名、2年生1名、4年生2名が出演しました。Konzertfachのカリキュラムである1年に2回のウィーンでの研修はコロナ禍のため実施されていませんでしたが、2年半ぶりに9月に再開されました。4年生は久しぶりに、1?2年生は初めて、現地での研修に参加しました。それぞれ多くのことを受け取ったことが、演奏から伺われました。次の研修は2月に予定されています。回を重ねるごとに確実に成長するよう期待したいと思います。

9日(水)は大学院特別講座を開催しました。
迎えの車から川越キャンパスに降り立たれるや否や「わあ、綺麗な紅葉! 素敵な建物!写真を撮ってもいいですか?」と明るい声を上げられたのは、講師の高橋多佳子先生でした。私は緊張してお迎えしていた筈が急に距離が近くなり、そのお人柄に触れた思いでした。

高橋先生は音大卒業後、ポーランドで10年間研鑽を積まれました。その間にショパン国際ピアノコンクール5位入賞など数々のコンクールで優秀な成績を修めています。その後、ワルシャワフィルハーモニーや国内の主要なオーケストラと共演なさったり、ソロは勿論のことピアノ二重奏や室内楽でもご活躍の注目のピアニストです。またご自身で企画なさったコンサートでも常に話題を集めていらっしゃいます。

受講生は大学院1年生が2名、2年生が3名の計5名が、フランク、バッハ、ドビュッシー、リスト、ベルクの作品を演奏しました。一人1時間足らずのレッスンでしたが、先ず先生が客席でお聴きになるところからレッスンが始まりました。一度通し終えると、先生はその学生の良い点を挙げて褒めてくださいました。その後、具体的なレッスンになりました。

それぞれの学生を細かくご指導いただきましたが、その中で共通しておっしゃっていたことを3点挙げてみたいと思います。

「ダイナミックレンジを大きく」
「大きなエネルギーで音楽の頂点に向かう」
「テクニックを習得するためには、さまざまな練習方法で」

強い音については、上腕の筋肉を意識して、楽器から音が離れていくように、とアドバイスをいただきました。また練習方法については、逆の形にして弾く練習を取り入れると効果的。例えば

?p→f、f→p
?ゆっくり→速く、速い→ゆっくり
?切る→レガート、レガート→切る
?8度の連続は弱めの音でレガートで練習する

など沢山のヒントをいただきました。そして先生がお弾きになるホールに突き抜けるように美しく響く音と素晴らしい表現の一端を知ることができました。

最後に先生から「良い学校ですね。学生さんたちもよく準備されていて素晴らしい!」とお褒めの言葉をいただきました。
大学院生、聴講した学部生は、多くのことを学んだことと思います。
もう一つ高橋先生から学んだこと。それは常に明るく笑顔を絶やさずポジティブに! そして感性豊かに!ということでした。

高橋多佳子先生、ありがとうございました。